会長挨拶 Grußwort
このたび、2025年4月より大阪日独協会 会長に就任いたしました 神余 隆博 です。まず長年にわたり当協会を支えてこられた大社啓二前会長に敬意を表するとともに、会員の皆様のご厚情とご協力に深く感謝申し上げます。
私自身は40年にわたり外交に携わり、ボン、デュッセルドルフ、ベルリンなどドイツ各地に勤務してまいりました。日本とドイツとの関係維持・強化に努め、ドイツの文化・社会・歴史・価値観にも親しく触れてきた経験を生かし、このたび会長の役目を引き受けた次第です。近年、世界情勢は大きく変化しています。たとえば、米国・ロシア・中国における大国主義の台頭、民主主義諸国における価値観の揺らぎ、そして日本・ドイツ両国も「経済大国」から「大きな中流国家」へとその立ち位置を変えつつあります。こうしたなか、日独両国は「民主主義」「自由」「人権」「法の支配」といった普遍的な価値を共有するパートナーとして、これまで以上に互いに関心を払い、政治・経済・社会・文化・学術の各分野で協力を深めていくことが不可欠と実感しています。
そのためには、政府・自治体・企業レベルでの協力と並行して、若者をはじめ市民レベルにおける交流・文化理解・人的ネットワークの構築こそが、混迷を深める世界のなかで、日独両国が世界の平和と繁栄をともに追求していくための「基盤」であると考えております。当協会が目的として掲げる「日独両国間の文化・経済交流共通の発展に資する事業を行い・・・両国の一層の親善に寄与する」(定款第3条)という使命を力強く推進してまいります。
当協会の源流は1907年(明治40年)、神戸・大阪においてドイツに関心を持つ人々と在留ドイツ人との間に設立された「関西独和会」にまで遡ります。第二次世界大戦後は1953年(昭和28年)6月20日に大阪日独協会として設立され、今日まで大阪を拠点に日独交流の歴史を重ねてまいりました。これまでの歩みを土台にして、「新しい一歩」を皆様とともに踏み出せることを、心から嬉しく存じます。
就任にあたり、6月の総会で示した「3つの方針」(別紙参照)に基づき、私の考える重要なポイントを以下3点、簡潔にお伝えします。皆様には活発なご活動を期待しつつ、協会のさらなる発展をともに目指してまいります。
(1)次世代・若手の参画促進:ドイツ語・ドイツ文化に関心をもつ若い世代および日独交流に意欲のある若手を迎え入れ、この方々自身が企画・運営に携われる環境を整えます。
(2)多分野にわたる双方向交流の深化:経済・社会・文化・学術・教育など多岐にわたる分野でドイツの皆様との対話・協働・共創を促し、単なる親善にとどまらない実践的な日独パートナーシップを育てます。会員相互は勿論、ドイツ人との交流機会をオンラインも含めて強化します。
(3)市民レベルでの「絆づくり」と発信力強化:会員間ネットワークを活かし、大阪・関西を拠点に日独両国市民が交流を深め、相互理解を促進するとともに、その活動を社会に発信し、大阪・関西万博の精神を活かし、関西から国際社会へとつながる架け橋としての役割を担います。また、協会定款にもある「一般市民へのドイツ文化普及およびドイツに向けた日本文化発信」(第4条)にも努めてまいります。
最後に、会員の皆様にはぜひこれまで以上に情熱をもってご参加いただければ幸いです。
私も及ばずながら微力を尽くしてまいりますので、皆様のご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。
2025年12月1日
一般社団法人 大阪日独協会
会長 神余 隆博
